スペインに移住したら、早い段階で必要になるのが銀行口座だ。家賃の支払い、電気・ネットの引き落とし、autónomoの社会保険料(cuota)や税金の支払い——スペインの生活は、ほとんどが口座からの引き落としで回っている。
📌 移住の全体像はこちら:スペイン移住完全ガイド【2026年版】ビザ・家探し・生活費・手続きを全部まとめた
ただ、いざ作ろうとすると「BBVAとSabadellのどっちがいい?」「RevolutやN26のようなネット銀行だけで生活できる?」と迷う人が多い。この記事では、スペイン在住の外国人がどの銀行口座を選べばいいかを、伝統的な銀行とネット銀行に分けて比較する。
※手数料や開設条件は各銀行が頻繁に変更している。この記事は2026年時点の一般的な傾向なので、開設前に必ず各銀行の公式サイトで最新の条件を確認してほしい。
結論:メインはスペインの銀行、サブにネット銀行+Wise
先に結論を書いておくと、スペインに住むなら次の組み合わせが一番トラブルが少ない。
- メイン口座:BBVAかSabadellのオンライン口座(家賃・公共料金・税金・社会保険料の引き落とし用)
- サブ口座:RevolutかN26(日常の買い物、旅行、予備のカード)
- 送金用:Wise(日本円をユーロに両替してスペインに送る)
理由は、スペインでは今でも「スペインの銀行口座(ESから始まるIBAN)」を求められる場面が残っているからだ。EUのルールでは、ユーロ圏内の口座であればどこのIBANでも受け付けなければならないことになっているが、実際には一部の役所の手続きや大家、公共料金の会社でスペインの口座を求められることがある。メインを1つスペインの銀行に置いておけば、こうした場面で困らない。
スペインの銀行・ネット銀行 比較表
| 銀行 | 種類 | 口座維持手数料 | 外国人の作りやすさ | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| BBVA | スペインの大手銀行 | オンライン口座は条件付きで無料 | ◎ NIEがあれば作りやすい | メイン口座を1つ作りたい人 |
| Sabadell | スペインの大手銀行 | オンライン口座は条件付きで無料 | ◎ 外国人向けの窓口対応に慣れている | 窓口で相談しながら作りたい人 |
| CaixaBank | スペイン最大手 | 給与振込などの条件を満たさないと有料 | ○ | 支店・ATMの多さを重視する人 |
| ING | ネット専業(スペイン法人) | 無料 | △ スペインの居住者であることが前提 | スペイン語のアプリ操作に抵抗がない人 |
| Revolut | ネット銀行(欧州) | 基本プランは無料 | ◎ アプリで即日開設 | サブ口座・旅行・複数通貨を使いたい人 |
| N26 | ネット銀行(ドイツ) | 基本プランは無料 | ◎ アプリで即日開設 | シンプルなサブ口座が欲しい人 |
| Wise | 送金サービス(口座機能あり) | 無料(送金・両替ごとに手数料) | ◎ 日本にいるうちに作れる | 日本円→ユーロの送金・両替 |
スペインの伝統的な銀行(メイン口座向き)
BBVA:アプリが使いやすく、メイン口座の定番
BBVAはスペイン2位の大手銀行で、アプリの使いやすさに定評がある。オンライン口座は一定の条件で口座維持手数料が無料になり、アプリの表示を英語に切り替えられるのも外国人にはありがたい。NIE(外国人番号)と住所がわかる書類があれば、比較的スムーズに開設できる。
Sabadell:外国人の口座開設に慣れている
Sabadellはスペイン4位クラスの銀行で、外国人顧客の対応に慣れている支店が多い。オンライン口座は条件付きで手数料が無料になる。窓口で相談しながら開設したい人に向いている。
BBVAとSabadellの口座開設の手順や、実際に開設したときの体験はスペインで銀行口座を開設する方法【BBVA・Sabadell比較と実体験】で詳しく書いている。
CaixaBank:支店とATMの数は圧倒的
CaixaBankはスペイン最大の銀行で、支店とATMの数は圧倒的に多い。ただし給与振込や一定額の入金などの条件を満たさないと、口座維持手数料がかかるプランが多い。フリーランスで毎月の入金額が不安定な人は、条件を事前に確認しておこう。
ING:手数料無料のネット専業銀行
INGはスペインで人気のネット専業銀行で、口座維持手数料が無料の口座を提供している。ただしスペインの居住者であることが前提で、DNIやNIEなどの身分証が必要になる。移住直後よりも、TIEを取得して生活が落ち着いてから作るのに向いている。
ネット銀行・送金サービス(サブ口座向き)
Revolut:スペインのIBANにも対応、アプリで即日開設
Revolutはアプリだけで口座を開設でき、複数通貨の管理や海外でのカード利用に強い。スペインの居住者にはスペインのIBAN(ESから始まる番号)が発行されるようになっていて、以前よりメイン寄りの使い方もしやすくなった。ただし窓口がなく、トラブル時の問い合わせはアプリのチャットのみになる点は理解しておこう。
N26:シンプルで使いやすいドイツのネット銀行
N26はドイツのネット銀行で、アプリの使いやすさとシンプルさが魅力だ。基本プランは無料で、日常の買い物用のサブ口座として使いやすい。発行されるIBANの国は時期や開設条件によって変わることがあるので、スペインの口座として使いたい場合は開設前に確認しておこう。
Wise:日本円からユーロへの送金はこれ一択
Wiseは厳密には銀行ではなく送金・両替サービスだが、ユーロの口座情報も持てる。日本の銀行からスペインに送金する場合、銀行の海外送金より手数料と為替コストが大幅に安い。日本にいるうちに開設できるので、移住前に作っておくと便利だ。詳しくはスペイン移住者の海外送金はWise一択で比較している。
ネット銀行だけで生活できる?
結論から言うと、「不可能ではないが、スペインの銀行口座も1つ持っておいたほうが安心」だ。RevolutやN26だけで生活している人もいるが、次のような場面で困る可能性がある。
- 家賃の引き落としや賃貸契約で、大家や不動産会社にスペインの銀行口座を求められる
- 電気・ガス・ネットなどの契約で、特定の銀行からの引き落としを求められる
- 役所の手続きや税金の支払いで、スペインの銀行経由でないとスムーズに進まない
- 住宅ローンや分割払いなど、スペインの銀行での取引履歴が必要になる
現金を使わない生活の実情についてはスペインで口座を持たずに生活できる?キャッシュレス事情を解説も参考にしてほしい。
口座開設に必要なもの
スペインの銀行で口座を開設するときに一般的に求められるものは以下の通り。
- パスポート
- NIE(外国人番号)またはTIE(外国人居住者カード)
- スペインの住所がわかる書類(住民登録証明書、賃貸契約書など)
- スペインの電話番号
- 収入や職業がわかる書類(求められる場合がある)
NIEがない段階では「非居住者口座(cuenta de no residente)」しか作れないことが多く、手数料が高くなりがちだ。先にNIE番号や住民登録(エンパドロナミエント)を済ませておくと、選べる口座が一気に増える。
日本のクレジットカードとの使い分け
スペインの口座ができるまでの間は、日本のクレジットカードやデビットカードで生活することになる。海外事務手数料がかかるカードが多いので、どのカードを使うか、スペインのカードとどう使い分けるかはスペインのクレジットカード事情で詳しく解説している。
まとめ:まずはスペインの銀行を1つ、あとは用途で足す
スペインでの銀行選びは、「スペインの銀行のメイン口座を1つ」+「ネット銀行のサブ口座」+「Wiseで送金」の組み合わせが一番バランスがいい。メイン口座はアプリの使いやすさならBBVA、窓口で相談したいならSabadell、支店の多さならCaixaBankと、自分の優先順位で選ぼう。