「ノマドビザ、スペインとポルトガルどっちにしよう…」
ヨーロッパでノマドビザを取るなら、まず候補に上がるのがこの2カ国。どちらも温暖な気候・比較的リーズナブルな物価・英語がある程度通じる環境が揃っていて、調べれば調べるほど「どっちでもよさそう」という気持ちになってくる。
でも実際に住むとなると、日常の快適さ・ビザ申請のしやすさ・家族の生活環境など、細かな違いが積み重なって「住み心地」に大きく影響する。
この記事では、バルセロナに家族で移住し、ポルトガル(リスボン・ポルト)にも実際に家族で滞在した筆者が、両国の違いをリアルな視点で比較する。移住検討中の方の参考になれば嬉しい。
先に結論:筆者はスペイン・バルセロナを選んだ
結論から言うと、筆者が選んだのはスペイン・バルセロナ。理由は主に3つある。どれも「旅行者目線」ではなく、子どもを連れた移住者目線で感じたことだ。
理由① ポルトガルは坂と石畳がきつい——特に子連れには
ポルトもリスボンも、街並みは本当に美しい。タイル張りの建物(アズレージョ)、路面電車、丘の上から見える大西洋。「住んでみたい」と思わせる魅力は確かにある。
でも、実際に家族で歩いてみてわかったのは——
坂がえぐい。石畳がえぐい。ベビーカーがまじで押せない。
リスボンのアルファマ地区は石畳の急坂が続き、ベビーカーを押しながら歩くのは正直かなりしんどかった。ポルトも同様で、観光スポットほど坂と石畳が多い。「子どもが小さいうちは特にきつい」というのが、歩いた率直な感想だ。
もちろん、平坦なエリアもある。リスボンであればベレン地区周辺やテージョ川沿い、ポルトなら低地エリアは比較的歩きやすい。ただ「街の魅力的な場所=坂と石畳が多い場所」という傾向があり、日常的な移動ルートに含まれてしまいがちだ。
理由② バルセロナはヨーロッパ屈指のバリアフリー都市
これ、住んでみるまで知らなかったが、バルセロナはヨーロッパの中でもトップクラスにバリアフリーが整っている都市として知られている。19世紀末に都市計画家イルデフォンス・セルダが設計した「エイシャンプレ地区」の格子状街路は、もともと歩行者・車いす・物流が共存できるよう設計されたもので、その恩恵が今もベビーカー移動に活きている。
実際に街を歩いていると体感できる。段差がほとんどない。歩道が広くて平坦。交差点のカットもなだらか。ベビーカーを押しながらでも、スムーズに移動できるエリアが本当に多い。
ポルトガルで感じた「街を歩くストレス」がバルセロナではほぼない。これは毎日の積み重ねとして、地味にめちゃくちゃ大きかった。
理由③ ノマドビザの収入要件はスペインのほうが条件が軽い
住みやすさだけでなく、ビザの申請要件にも無視できない差がある。
📊 スペイン vs ポルトガル ノマドビザ比較
| 項目 | スペイン(DNV) | ポルトガル(D8) |
|---|---|---|
| 最低収入目安 | 約€2,160〜/月 | 約€3,040〜/月 |
| 申請場所 | 日本領事館 | 日本領事館 |
| 家族帯同 | ✅ 可 | ✅ 可 |
| 税制優遇 | ベッカム法(15%課税) | NHR廃止済み(2024年〜) |
※数字は目安です。最新情報は必ず公式・弁護士に確認を。
収入証明の面では、スペインのノマドビザ(Digital Nomad Visa)のほうが条件が緩めで申請しやすい印象だ。ポルトガルのD8ビザと比較すると、求められる収入の基準額がスペインのほうが低く設定されている。
さらに見逃せないのが税制優遇の違い。スペインには「ベッカム法」と呼ばれる外国人向け優遇税制があり、条件を満たすと国外所得に対して一律15〜24%の課税で済む。一方、ポルトガルが誇っていた「NHR(非居住者課税)制度」は2024年から廃止されており、かつての税メリットは大幅に縮小している。フリーランスや個人事業主にとって、この差はかなり大きい。
⚠️ この記事の正直な限界
ひとつ正直に言っておきたいのは、筆者が語れるのはバルセロナの話だけということ。スペインといっても、マドリードや他の都市は実際に住んだことがないのでわからない。
ポルトガルについても、リスボンとポルトに家族で旅行した体験がベースなので、「移住者として長期滞在した感想」ではなく「住む目線で歩いた旅行者の感想」として読んでほしい。あくまでもコバケン家族の実体験ベースの話として参考にしてもらえると嬉しい。
まとめ:こんな人にはバルセロナをすすめる
「どっちが正解か」は人によって違う。ポルトガルが向いている人もいるし、スペインが向いている人もいる。でも、次の条件が重なるなら、筆者は迷わずバルセロナをおすすめする。
- 小さい子どもがいる・ベビーカーを使う
- フリーランスで収入がまだ安定しきっていない(収入要件を低くしたい)
- 税制優遇(ベッカム法)を活用したい
- 都市インフラや交通の便を重視する
逆に、「子どもが大きい」「ポルトガル語圏の文化に惹かれる」「海沿いのゆっくりした街が好き」という人には、ポルトガルのほうが合っているかもしれない。どちらも実際に街を歩いてみることが一番だが、まず候補を絞る参考にしてもらえれば。
よくある質問
スペインとポルトガル、物価はどちらが安い?
家賃はリスボン・ポルトのほうが近年急騰しており、バルセロナとほぼ同水準か場合によっては高い。食費・交通費はポルトガルのほうがやや安い印象。ただし「ポルトガルが安い」というイメージは数年前の話で、現在は大きな差はなくなってきている。
ノマドビザの申請、どちらが手続きが簡単?
収入要件・書類の複雑さともにスペインのほうが申請しやすい印象。ポルトガルのD8ビザは求められる収入証明の基準が高め。ただしどちらも英語対応の移民専門弁護士に依頼するのがおすすめ。
子どもの教育環境はどちらが充実している?
バルセロナは日本人学校・インターナショナルスクールの選択肢が多く、日本人コミュニティも比較的大きい。ポルトガルもリスボンを中心にインター校は増えているが、選択肢の幅はバルセロナのほうが広い印象。
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